インプラント治療で歯並びは治せる?基礎知識や矯正治療との違い|スタッフブログ(詳細)|矯正歯科とインプラント治療に特化した京都駅直結の医療法人社団 山崎デンタルクリニック

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インプラント治療で歯並びは治せる?基礎知識や矯正治療との違い

「インプラント治療で歯並びがきれいになった」などの意見を耳にしたことがある方は多いでしょう。

歯並びの改善には矯正治療が一般的ですが、インプラント治療でも歯並びを治せるのでしょうか。

この記事ではインプラント治療で歯並びは治せるのか、矯正治療との違いや治療を受ける際の注意点を解説します。

歯は健康な食生活だけでなく容姿にも影響するため、健康できれいな歯を保てるよう、治療方法は慎重に選ぶ必要があります。

歯並びや咬み合わせでお悩みの方は、ぜひこの記事を参考に治療方法を検討してください。

 

インプラント治療は歯並びを治す方法ではない
インプラント治療は、歯並びを整える目的の治療ではありません。

インプラント治療を受けると、歯周組織の状態だけでなく、歯の見た目も改善します。

また、結果的にインプラント治療で歯並びが治ることもあるため、「インプラント治療で歯並びが治った」と話す方も少なからず存在します。

しかし、歯並びが治るのは、あくまでインプラント治療の副次的な効果です。

インプラント治療は健康な歯を持つ方のための矯正治療ではなく、歯を失った方が歯を回復するための方法です。

健康な歯を抜き、人工歯を入れるインプラント治療をおこなってまで、咬み合わせや歯並びを整えることはおすすめできません。

歯並びを治したい方には、矯正治療がおすすめです。

インプラント治療は、歯並びを治す矯正治療とはまったく別の治療と考えましょう。

 

インプラント治療と矯正治療の違い
インプラント治療が歯並びを治す方法ではないことを前述しましたが、インプラント治療と矯正治療には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

この章では、目的・方法・保険適用・費用・適応条件の5つの点で、インプラント治療と矯正治療の違いを解説します。

それぞれの治療方法の特徴を知り、どちらの治療方法が適しているかを判断しましょう。

 

目的
インプラント治療の目的は歯の回復です。

おもに外傷・虫歯・歯周病・先天性の疾患などで、歯を失った方がこの治療を受けます。

歯が1本でも失われると、食べ物を噛みづらいだけでなく、歯並びなど口内全体のバランスが崩れます。

インプラント治療で取り付けられた人工歯は、入れ歯やブリッジなどと比べても機能性・審美性ともに自然の歯に近いです。

治療で歯を回復すれば、見た目が良くなるだけでなく、生活の快適性も高まるでしょう。

一方の矯正治療の目的は、歯並びや咬み合わせを整えることです。

歯並びが悪いと見た目が悪いだけでなく、歯がうまく咬み合わず、食べ物をよく咬めません。

歯磨きをしても磨き残しが多くなりやすく、虫歯や歯周病ができやすくなります。

また、咬み合わせが悪いと一部の歯に負担がかかりすぎて、顎関節症・頭痛・肩こりなどを引き起こしかねません。

矯正治療を受ければ見た目が良くなるだけでなく、おいしく食事を楽しめ、虫歯・歯周病・頭痛などのさまざまなトラブルを防げるでしょう。

 

 方法
インプラント治療では、顎骨にチタン製もしくはチタン合金の人工歯根(インプラント体)を埋め込みます。

顎骨と人工歯根が結合したあと、人工歯を取り付けるためのアバットメントと呼ばれる部品と人工歯を装着して完了です。

治療方法には1回で手術を完了させる1回法と、2回に分けて手術をおこなう2回法の2つがあります。

口腔内の状態や歯科医の判断によって異なるため、事前によく相談し、治療方法を確認しましょう。

矯正治療の方法には、おもにワイヤーを使用するものと、マウスピースを使用するものの2種類があります。

ワイヤー矯正治療は、ブラケットと呼ばれる装置を歯に取り付け、装置にワイヤーを通して圧力をかけて歯を動かします。

マウスピース矯正治療は、専用の透明マウスピースを治療の段階に合わせて交換し、歯を動かす方法です。

ワイヤー矯正治療はマウスピース矯正治療と比べて強い力で歯を動かせるため、治療期間が短いのが特徴です。

一方マウスピース矯正治療は取り外しが可能で生活に支障が出にくい点、矯正装置が目立ちにくいなどのメリットがあります。

 

 保険適用
歯科医院でおこなう治療には、保険適用で医療費の3割のみ自己負担となる保険診療と、保険が適用されない自由診療の2種類があります。

インプラント治療は、原則保険が適用されない自由診療で、全額自己負担です。

ただし、あごの骨の先天性疾患がある方や第三者による事故で顎の広範囲を損傷した方は、インプラント治療に保険を適用できる場合があります。

加齢や虫歯・歯周病で歯を失った場合にインプラント治療を受けると、高額な費用がかかる可能性があるため注意しましょう。

矯正治療も、インプラント治療と同様に原則保険が適用されない自由診療で、全額自己負担です。

ただし、厚生労働大臣が定める疾患を持っている方や先天性の咬合異常や顎変形症がある方は、矯正治療に保険が適用を適用できる場合があります。

保険を適用させたい場合は条件を満たしたうえで、保険で認められた医療材料を使用し、特定の保険医療機関で治療を受ける必要があります。

 

 費用
インプラント治療の相場は、1本あたり30〜50万円です。

治療費用は手術費用・人工歯根・アバットメント・人工歯で構成されています。

人工歯の本数が多ければ多いほど、高額な費用がかかるでしょう。

人工歯の種類や処置の難易度、歯科医院によっても費用は異なります。

矯正治療の相場は矯正方法によって異なり、ワイヤー矯正治療の相場は100万円前後です。

治療費用はブラケット・ワイヤーなどの矯正装置と、調整料や手術費用で構成されています。

マウスピース矯正治療の相場は、80万円前後です。

治療費用はオーダーメイドで作成するマウスピースが高額となりやすく、矯正後に装着するリテーナー(保定装置)にも費用がかかります。

費用は矯正治療の方法や処置の難易度、歯科医院によって異なるため、事前によく確認しましょう。

 

 適応条件
インプラント治療の場合、以下のような条件にあてはまる方は治療を受けられない可能性があります。

 

●       糖尿病

●       白血病

●       骨粗しょう症

●       チタンアレルギー

●       重度の虫歯・歯周病

●       あごの骨が薄い・少ない

●       喫煙者

●       妊娠中

●       未成年

 

人工歯根を埋め込む骨や免疫に問題がある場合、顎が成長中の子どもなどは受けられないため注意が必要です。

一方の矯正治療はほぼすべての人が治療を受けられます。

ただし、以下のような条件にあてはまる方は治療を受けられない可能性があります。

 

●       虫歯・歯周病の治療中

●       歯茎が下がっている

●       歯肉が薄い

●       あごの骨が薄い・少ない

 

また、小児矯正は6〜7歳などの特定の成長期のみにしかおこなえないため、注意が必要です。

インプラント治療・矯正治療どちらの治療も、上記の条件に当てはまるからといって、勝手に治療を受けられないと判断するのはやめましょう。

歯科医に相談すれば、口腔内全体を確認したうえで、受けられる治療範囲や方法を提案してくれます。

 

両方受ける場合は矯正治療のあとにインプラント治療
「インプラント治療もしたいけど、矯正治療もしたい」そのようなときはどのようにするのが適切か、悩む方も多いのではないでしょうか。

原則インプラント治療は矯正治療と同時期におこなえません。

どちらの治療も長期間かかり、負担が大きいため、別々におこなう必要があります。

一般的に両方の治療を受ける必要がある場合は、矯正治療のあとに、インプラント治療を受けます。

インプラント治療でしっかりと顎骨に固定された人工歯は、矯正器具を取り付けても位置を変更できません。

そのため、矯正治療で歯並びを整えたあとに、インプラント治療を受けるのが効果的です。

また、インプラント治療のみを希望していても、先に矯正治療をおこなって歯並びを治す場合もあります。

インプラント治療では顎骨に人工歯根をしっかりと埋め込む必要があり、歯並びが悪く適切な位置に埋め込めないと周辺に炎症を起こす可能性があるためです。

希望の治療内容や目的を伝え、歯科医とよく相談して治療計画を立てましょう。

 

インプラント治療後に矯正治療を受ける場合の注意点
矯正治療のあとにインプラント治療を受けるのがおすすめですが、過去にインプラント治療を受けたことがある場合でも基本的に矯正治療は可能です。

ただし、すべての歯が天然歯の方とは異なる、注意すべき点がいくつかあります。

この章では、インプラント治療後、人工歯がある状態で矯正治療を受ける場合の注意点を解説します。

インプラント治療を受けた経験がある方、これから受ける予定があり、将来のために矯正治療の可否や注意点を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

人工歯は動かせない
矯正治療では、歯にワイヤーやマウスピースで圧力をかけ、歯の位置を動かして歯並びや咬み合わせを整えます。

しかし、インプラント治療で入れた人工歯は、矯正治療では動かせません。

理由は、インプラント治療で入れた人工歯に歯根膜がないためです。

歯根膜とは、歯の根を覆う膜で、歯にかかる力を吸収・分散するクッションのようなものです。

矯正治療で歯に圧力がかかると、その圧力で歯根膜の伸びた側は骨を作り、縮んだ側は骨を溶かします。

このように歯根膜には一定の厚さを保つ性質があり、矯正治療で歯を動かすための重要な役割を持っています。

歯根膜は天然歯には存在しますが、人工歯には存在しないため、人工歯に圧力をかけても動かせません。

人工歯がある場合は、原則人工歯以外の天然歯の歯並びを治す矯正治療となります。

矯正したい歯の近くに人工歯がある場合も、人工歯自体は動かさず、人工歯を固定源とする矯正治療は可能です。

 

治療方法・範囲が限られる
矯正治療には、おもにワイヤー矯正治療とマウスピース矯正治療の2つの方法があります。

すべての歯が天然歯の方は「短期間で治療したいからワイヤー矯正治療がよい」「目立たないマウスピース矯正治療がよい」など、希望で選べる場合が多いです。

また、すべての歯が天然歯の方は、矯正治療の範囲にも制限がありません。

希望や必要性に応じて治療の方法と範囲を歯科医と相談して決められます。

一方、インプラント治療後で人工歯がある方は、治療方法や範囲を自由に選べない可能性があります。

理由は、人工歯が矯正治療で動かせないためです。

人工歯の本数が少なく、位置が矯正したい位置と離れている場合は問題ありません。

奥歯に人工歯があり、前歯を矯正したいなどの場合は矯正治療が可能です。

人工歯の本数が多いもしくは人工歯のある位置を矯正したい場合は、希望通りの方法・範囲で治療を受けられない可能性があり、注意が必要です。

インプラント治療を受けたことを歯科医に伝え、適切な治療方法と範囲を相談しましょう。

 

口腔内の状態によってはできない場合がある
インプラント治療後、以下のような口腔内の状態があると、矯正治療を受けられない場合があります。

 

●       人工歯の本数が多い

●       虫歯・歯周病の治療中

●       歯茎が下がっている

●       歯肉が薄い

●       あごの骨が薄い・少ない

 

虫歯・歯周病やあごの骨の薄さなどは、インプラント治療後に限ったことではなく、人工歯がない方にもありうる問題です。

治療期間が長くなりますが、虫歯や歯周病は治療後に矯正治療を受けられる場合があります。

また、矯正治療を受けられないからといって、インプラント治療をやり直すことはほとんどありません。

ただし、矯正治療後にインプラント治療全体ではなく、人工歯の部分のみを作り直す場合があります。

費用はかかりますが、咬み合わせの悪さは口腔内だけでなく肩こりなどの身体の不調を引き起こす可能性もあるため、必要に応じて検討しましょう。

通常は人工歯の位置や本数に合わせて、適切な治療方法や範囲を提案してくれるため、歯科医とよく相談して決めてください。

 

まとめ
インプラント治療は、歯並びを改善するための治療ではありません。

インプラント治療は歯の回復を目的とした、歯を失った方向けの治療です。

歯並びや咬み合わせを整えたい方は、歯並びや咬み合わせを整えることを目的とした、矯正治療を検討しましょう。

山崎デンタルクリニックでは、インビザラインと呼ばれるマウスピース矯正治療とインプラント治療を中心に、さまざまな歯の治療をおこなっています。

気になる部分だけでなく、口腔内のバランスを診て適切な治療方法を提案してくれるので、京都周辺で歯に悩みを抱えている方はぜひ一度お問い合わせください。

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