【マウスピース矯正ができない歯並びとは?できない場合の代替案も解説】
目次
1.マウスピース矯正ができない歯並び
重度の歯周病
顎の骨格に問題がある
歯を大きく動かす必要がある
インプラントが入っている
埋没歯がある
2.マウスピース矯正ができない場合の治療法
ワイヤー矯正
ハイブリッド矯正
外科的矯正
3.マウスピース矯正がおすすめなのはこんな人
矯正しているのを隠したい人
少ない痛みで矯正したい人
矯正の費用を抑えたい人
4.マウスピース矯正についてよくある疑問
マウスピース矯正をすると話しにくくなる?
八重歯は治療できない?
前歯だけ治療できる?
マウスピース矯正を始めるのに年齢制限はある?
予想通りに歯が動かなかったらどうする?
5.マウスピース矯正で失敗したらどうする
6.マウスピース矯正での失敗を防ぐ
7.まとめ
歯科矯正の種類の1つであるマウスピース矯正は見た目が目立ちにくく、自分で付け外しが できるため人気です。 自分の歯並びはマウスピース矯正ができるか気になっている方も多いのではないでしょう か。
しかし、どのような歯並びでも治療できるわけではありません。 そこで今回は、マウスピース矯正ができない歯並びやその場合の治療法、よくある疑問につ いて解説します。
1.マウスピース矯正ができない歯並び
近年人気のマウスピース矯正は日々の技術進歩によってマウスピース治療ができる範囲も広 がってきています。 しかし、以下のような4つのケースではマウスピース矯正ができない可能性が高いです。
● 重度の歯周病
● 顎の骨格に問題がある
● インプラントが入っている ● 埋没歯がある
では、なぜこのようなケースではマウスピース矯正ができないのか、1つずつ解説します。
重度の歯周病
重度の歯周病にかかっている場合は歯科矯正自体が受けられません。 歯周病は細菌の感染によって歯茎が腫れ、重度になると歯を支えている顎の骨が溶け、歯が 支えを失いぐらついている状態です。 そのまま矯正を行うと歯が抜けたり、歯周病が進んだりするリスクが高く、まずは歯周病の 治療を行わなければなりません。 歯周病が改善し状態が安定すればマウスピース矯正ができる場合もあるため、治療と毎日の デンタルケアから始める必要があります。
顎の骨格に問題がある
歯並びだけではなく顎の骨格そのものに問題があると、マウスピース矯正だけでは対応でき ないケースがあります。 一般的には出っ歯やしゃくれと言われる、上顎や下顎が前に突き出ているケースです。 歯科矯正だけでは顎の骨格まで改善できないため、外科治療が必要となるケースが多いでし ょう。 ただし、舌で前歯を押し出す癖が原因で後天的に出っ歯になったなどの場合は、矯正治療で きる可能性もあります。 また、外科治療をせずに矯正により上下前歯の位置を改善しただけで、口元の印象が変化し たケースもあります。
インプラントが入っている
歯科矯正は歯の根っこを覆う歯根膜の収縮と、骨を溶かしたり再生したりしながら、力を加 えた方向に歯が動きます。 インプラントは虫歯やケガなどが原因で歯を失った部分の顎の骨に、直接人工歯根を埋め込 む治療方法で、人工歯根には歯根膜がないため動かせません。 インプラントが入っている場合でも、歯並びや噛み合わせの妨げにならなければマウスピー ス矯正が可能なケースもあります。 しかしインプラント数が多いと動かせる範囲が限られるため、マウスピース矯正では対応で きず、多くのケースはマウスピース矯正以外の治療方法を検討します。
埋没歯がある
埋没歯とは歯が歯茎や骨に埋まって自然に生えてこない状態で、多く見られるのは親知らず や上の犬歯、上の前歯です。 埋没歯があると、埋まっている歯のスペースに隣の歯が倒れてきて、歯並びや噛み合わせが 悪くなり矯正が必要になる場合があります。 埋まっている歯が親知らずであればマウスピース矯正が可能なケースもありますが、他の歯 であれば切開して引っ張らなければならず、マウスピース矯正では対応できません。 そのため、ワイヤー矯正や他の方法を検討する必要があります。
2.マウスピース矯正ができない場合の治療法
マウスピース矯正ができないと診断されても、他の治療法で矯正できます。 見た目を気にしてマウスピース矯正がいいと思っていた方でも、他にはどのような治療があ るのか探してみると、自分に合う治療方法が見つかるでしょう。 本章ではワイヤー矯正・ハイブリッド矯正・外科的矯正の3つの治療法について紹介しま す。
ワイヤー矯正
見た目を気にして目立たないマウスピース矯正を希望している方は、ワイヤー矯正を検討し てみると良いでしょう。 ワイヤー矯正は装置が目立つイメージがありますが、歯に装着するブランケットやワイヤー は、表側に着ける表側矯正のほかに裏側に着ける舌側矯正もあるので、以前より目立たない やり方で矯正をスタートさせることができます。 また白色や透明の装置もあり、表側でも目立たない矯正が可能です。 ただし舌側矯正、白色や透明の装置は通常のワイヤー矯正より費用が高いケースが多く、金 銭負担が大きくなる可能性があるでしょう。
ハイブリッド矯正
ハイブリッド矯正はマウスピース矯正とワイヤー矯正を組み合わせた治療方法です。 でこぼこした歯並びやひねって生えている歯、かみ合わせがずれているなどの歯を大きく動 かす治療をまずはワイヤーで矯正したあと、マウスピース矯正で細かな歯並びを整えます。
複数の矯正治療のメリットを活かし、1つの治療方法ではできない治療を行うのがハイブリ ッド矯正の特徴です。 クリニックによっては別の矯正の組み合わせ、例えば部分矯正とセラミック矯正をハイブリ ッド矯正としている場合もあります。
外科的矯正
外科的矯正とは外科的手術と矯正治療を併用する治療です。 上顎や下顎が突き出ているなど骨格に問題があり、歯科矯正では治療できないときは外科的 手術で骨格のゆがみを修正し、嚙み合わせや歯並びを歯科矯正で整えます。 外科的矯正での治療は歯並びだけではなく、顔の骨格を大きく改善可能です。 外科的手術を先に行う場合と、歯科矯正を先に行った後に外科的手術をする場合と両方あり ます。 また、顎変形症等の嚙み合わせに異常がある症状だと、健康保険適用の可能性があります。 ただし、国が定める基準を満たしている場合に限られるため当てはまるかどうかは事前に確 認しましょう。
3.マウスピース矯正がおすすめなのはこんな人
ここまではマウスピース矯正ができないケースや、その場合の代替治療について解説しまし た。
ではマウスピース矯正はどのような人に向いているのでしょうか。
マウスピース矯正は以下のような人におすすめです。 ● 矯正しているのを隠したい人
● 少ない痛みで矯正したい人
● 矯正の費用を抑えたい人
ではなぜ上記のような人におすすめなのか、1つずつ説明します。
矯正しているのを隠したい人
マウスピース矯正は矯正しているのを隠したい人におすすめです。 通常の矯正は歯の表側にワイヤーを装着するため、目立つイメージで抵抗がある方もいるで しょう。 ワイヤー矯正には歯の裏側に装着するタイプもあり見た目には目立ちにくくなっています が、慣れるまでは滑舌に影響がでて周りの人に気づかれる可能性があります。 しかしマウスピース矯正は透明なマウスピースを使い目立ちにくく、滑舌に大きな影響もな いため矯正しているのを知られたくない方に人気の治療方法です。
少ない痛みで矯正したい人
少ない痛みで矯正したい人にもマウスピース矯正はおすすめです。 歯科矯正は痛みを伴いますが、マウスピース矯正は他の矯正に比べると痛みが少ないと言わ れています。 マウスピース矯正はマウスピースを装着して、穏やかに少しずつ動かす矯正のため痛みも少 ないです。 矯正したいけど痛いのが苦手と思っている方は自分の歯並びがマウスピース矯正できるかど うか相談してみると良いでしょう。
矯正の費用を抑えたい人
歯科矯正の費用は100万円近く、もしくは100万円以上かかります。 マウスピース矯正の費用相場の目安は部分治療で10〜40万円、奥歯から行う全体治療で60〜 100万円と、範囲や期間によって幅があります。 前歯のみなど軽度な場合は10万円台でできる治療もあるため、自分の歯並びはいくらで治療 が可能か確認することが大切でしょう。 クリニックによっては無料カウンセリングや月々定額で支払うプランを設定しているところ もあります。
4.マウスピース矯正についてよくある疑問
マウスピース矯正は目立ちにくい、取り外しができるなど大きなメリットがあります。 一方でマウスピースを装着していると話しにくくなるのかなど不安な点や疑問に思っている 点もあるでしょう。
マウスピース矯正を検討する上でよくある疑問について解説します。
マウスピース矯正をすると話しにくくなる?
マウスピースは樹脂で作られており、0.5mm程度しか厚みがないため、大きな影響が出づ らく通常は問題なく会話できます。 始めはマウスピースの装着に慣れる必要がありますが、舌側矯正のような話しづらさはあり ません。 また、マウスピースは自分で取り外しができるため、面接や仕事での会議などどうしても外 したい重要な場面では外しておけば問題ないでしょう。
前歯だけ治療できる?
奥歯などは比較的きれいな形をしており、前歯だけ歯並びが気になる場合は前歯だけの部分 矯正ができる可能性があります。 部分矯正ができるかどうかは奥歯の噛み合わせの状態が重要で、噛み合わせがしっかりとし て、顎の骨格に問題がなければ部分矯正が可能です。 ただし、奥歯の嚙み合わせに問題がある場合、歯並びを整えるスペースが足りずに抜歯を伴 うような場合は前歯だけのマウスピース治療では対応できません。
マウスピース矯正を始めるのに年齢制限はある?
マウスピース矯正やワイヤー矯正などの矯正治療自体に年齢による制限はなく、基本的に永 久歯が生えそろう、おおよそ12歳ごろから治療できます。 (最近では6歳ごろから始められるものもあります。) 歯や歯を支える顎が良好な状態であれば治療を受けられ、虫歯や歯周病を予防できるため高 齢の方にもおすすめです。 ただし、決められた装着時間(1日20時間程度)マウスピースを装着する必要があります。
予想通りに歯が動かなかったらどうする?
矯正中に予想通りに歯が動かなかったり思わぬ動きをしたりしたときは、再度マウスピース の型取りを行い、しっかり時間をかけて治療をおこないます。 予想通り動かない原因に、着用時間など動かすのに必要な時間が足りていない場合がありま す。 自分に型にて治療を行えば、歯はしっかり動いていきますので気になる場合は歯科医院に相 談をするようにしましょう。
5.マウスピース矯正で失敗したらどうする
万が一マウスピース矯正で失敗したと思ったら、まずは治療した歯科医院に相談しましょ う。 矯正後に歯並びがまだ不安定でリテーナー(保定装置)装着せずに、再び元の位置に動く後 戻りの状態になるケースがあります。
そのときは、動きの大きさによっては再度リテーナー(保定装置)をしっかり装着してリカ バリーできる可能性があります。 治療結果に納得いかなければ、再度治療の内容を医師と話し合い改善方法を提案してもらう のが大切です。 しかし他のクリニックで治療したいと思うなら、新たなクリニックでの相談も検討しましょう。
6.マウスピース矯正での失敗を防ぐ
費用も時間もかかる矯正は誰もが失敗したくありません。 マウスピース矯正での失敗を防ぐには、重要な4つのポイントを確認しておきましょう。
1.実績と経験が豊富な信頼できる歯科医院を選びましょう。 治療方針を立てるのは歯科医師なので信頼できる相手かどうかは大切です。
2.規定のマウスピース装着時間(1日20時間)を守りましょう。 装着時間を守らなければ計画通りに歯が動かず、治療計画が崩れてしまいます。
3.口内環境を整えましょう。 歯磨きやデンタルフロスなどでの歯のお手入れはもちろん、マウスピースもしっかりとお手 入れし虫歯や歯周病を防ぎます。
4.定期的に通院しましょう。
矯正途中に自分では気づかない問題が発生する可能性があり、そのようなときに早く発見し てもらえます。
また少しでも違和感や不安があればすぐに相談するのが大切です。
以上のポイントを守り、失敗なく理想の歯並びに近づけましょう。
7.まとめ
マウスピース矯正は見た目が目立ちにくいため、人気の矯正治療です。 しかし重度の歯周病やインプラントがある場合など、自分が矯正できるか判断するのは難し いでしょう。 山崎デンタルクリニックではマウスピース矯正を行っており、治療のメリットだけでなくデ メリットもお伝えしながら、患者様と二人三脚で治療を進めていきます。 無料相談やカウンセリングに力をいれているため、マウスピース矯正が気になっている方は是非お気軽お問い合わせください。