【インビザラインにかかる期間は?伸びる原因と短縮方法を解説】
目次
1.インビザライン矯正にかかる期間
2.インビザライン矯正の期間が伸びる原因
抜歯 マウスピースの装着時間が不十分 マウスピースの紛失 虫歯や歯周病に罹患 叢生(そうせい)のケース 仕上がりに不満がある
3.インビザラインの治療期間を短くする方法
定期検査を行って状態を把握する
口内の清潔を保つ
ワイヤー治療と併用する
使用方法をしっかり守る
喫煙者は禁煙をする
アライナーチューイを使用する
アライナーチューイとは
アライナーチューイの使い方
4.まとめ
導入
---------- 透明なマウスピースを使って歯の矯正を行うインビザライン。
ワイヤー矯正のように目立たないメリットがある一方で、期間が長くなりやすいデメリットも あります。
そのため、インビザラインを検討している方は、どれくらいの治療期間が必要になるか把握し ておくことが重要です。
この記事では、インビザライン矯正の期間が延びる理由や短くする方法などを紹介します。 ----------
1.インビザライン矯正にかかる期間
インビザライン矯正にかかる期間は、数ヵ月から3年程度です。
歯の状況や使用状況によって期間は変わり、軽度な歯並び・噛み合わせの悪さなら1年以内、全 体の矯正が必要なら数年はかかります。
期間がどれくらいになるかは、動かす歯や量によって異なるため、正確に把握したい場合は医 師に確認しましょう。
また、インビザラインの矯正で終わりではなく、歯が元の位置に戻る「後戻り」を防ぐための 保定装置がさらに2年~3年ほど必要です。
一般的な矯正治療によって歯が移動するスピードは、1.0mm程度といわれています。人の新陳代 謝機能を利用して歯を動かす治療法となるため、インビザラインは全体的に治療期間が長くな ります。
ちなみに、子どもの場合は成長発育を利用して顎を広げられることや、骨の代謝が活発に行わ れているため、治療期間は6ヶ月~2年程度と大人に比べて短いのが特徴です。
2.インビザライン矯正の期間が伸びる原因
インビザライン矯正は個人差がありますが、マウスピースの使用状況や口内環境によって期間 が伸びるケースもあります。
ここでは、インビザライン矯正の期間が伸びる原因を紹介します。
抜歯
インビザライン矯正で抜歯が必要になると、治療期間は伸びます。
抜歯は矯正に必要な歯を動かすスペースがない場合に行われますが、1ヶ月で歯が動く距離は決 まっているため、動かす距離が長くなるとそれだけ矯正に時間がかかるためです。
また、インビザラインの抜歯は治療を始める前に行うため、通常であれば最初の段階で期間の 変動は把握できます。
抜歯が必要になるのは下記のようなケースです。
● 前歯が大きく突出している ● 歯並びがでこぼこしている ● 下顎が上の前歯より出ている
一方で、「歯列を横に広げられる」「奥歯を後方に動かせる」のようなケースであれば、抜歯 は必要ありません。
抜歯に抵抗がある方は、できるだけ抜歯をせずにインビザラインを進められる歯科医院を選ぶ とよいでしょう。
マウスピースの装着時間が不十分
マウスピースの装着時間が不十分だと、歯の矯正が進まずに治療期間が延びてしまうケースが あります。
装着時間は1日22時間が目安となっており、それよりも短い場合は正しい効果が得らないため注 意しましょう。
22時間の装着が必要となる理由は、歯列移動の持続性を確保することや歯の異動を均一に促進 させるためです。
時間を守らないと歯の移動が不均一となり、矯正の効果が十分に現れません。
マウスピースは取り外しが簡単にできるため、食事をしたあとや歯磨きをしたあとにつけ忘れ てしまうケースも多くあります。
短時間の取り外してあれば問題ありませんが、長時間の付け忘れには気をつけましょう。
マウスピースの紛失
マウスピースを紛失すると作り直すために1~2週間かかるため、その期間中は矯正力がかから ずに治療が伸びてしまいます。
何度も紛失を繰り返していると歯が治療する前の状態に戻ってしまい、せっかく動かした歯が 後戻りするため注意しましょう。
また、マウスピースは作り直すごとにお金がかかるため、コストを増やさないためにも徹底し た管理を行うことが大切です。
マウスピースを紛失しやすいのは、飲食店や部屋の中などです。人目を気にして隠していたら いつの間にか忘れてしまい、ゴミと一緒に捨てられてしまう場合もあります。
虫歯や歯周病に罹患
インビザライン中に痛みを伴う虫歯に罹患すると治療が必要となり、詰め物を入れることでマ ウスピースが合わなくなってしまう可能性があります
また、歯周病が進行して歯の動揺が大きくなると抜歯が必要になるため、歯型を取り直して新 しいマウスピースを作成しなければなりません。
このように、虫歯や歯周病に罹患すると治療やマウスピースの作り直しが必要になることで、 インビザラインの期間が伸びます。
ちなみに、インビザライン中はマウスピースを長時間つけておく必要があるため、汚れが溜ま りやすく虫歯や歯周病のリスクが高まる点にも注意が必要です。
食後はしっかりと歯磨きを行ったうえで、マウスピースを再装着しましょう。
叢生(そうせい)のケース
叢生(そうせい)は、インビザラインの期間が長くなりやすい傾向にあります。
叢生とは、歯と顎の大きさのアンバランスにより、歯が部分的に重なってしまう状態のことで 八重歯もその一種です。
乱ぐい歯とも呼ばれ、歯そのものが大きいことや顎骨の発育不全によって起こります。
叢生を治療する場合は矯正部位や歯を移動する距離が長くなり、抜歯が必要となるケースも多 いため、治療も伸びてしまうというわけです。
仕上がりに不満がある
インビザラインが終わったあとに、「想像していたのと違う」「違和感がある」などの不満が あると、治療の継続や再治療などが必要となって期間が伸びます。
また、矯正後の後戻りが早期に出ることや出っ歯が残ることで、再矯正が必要になるケースも あります。
矯正治療の仕上がりに不満があっても、それが現状における最適な状況の場合もあるため、問 題がある場合は治療を受けた医師に相談しましょう。
3.インビザラインの治療期間を短くする方法
インビザラインの期間を短くするためには、管理方法や治療ルールを守ることが大切です。こ こでは、治療期間を短くする方法を紹介します。
定期検査を行って状態を把握する
インビザラインの期間を短くするためにも、定期検査を行って状態を把握し、歯や口腔の状態 が悪い場合は早めに治療しましょう。
インビザラインはマウスピースで自己管理をしながら歯の矯正を行うため、定期検査を忘れて しまう方も少なくありません。
しかし、スケジュール通りに定期検査を行わないと計画通りに歯が動いていない場合に気付け なかったり、虫歯や歯周病の発見が遅れてしまうなどのリスクがあります。
歯の移動によってはマウスピースの調整が必要になるケースもあるため、医師に提示される定 期検査のスケジュールを守り、歯の状態を確認しましょう。
また、定期検査はインビザラインが正しく進んでいるかをチェックする役割もあるため、仕事 やプライベートが忙しくても時間を作って受診してください。
口内を清潔に保つ
インビザラインの期間を短くするためには、口内ケアを行って清潔を保ちましょう。
歯が汚れたままであったり、口腔環境が悪い状態でマウスピースを装着すると、虫歯や歯周病 にかかって、これらの治療が原因で長引く可能性があります。
当初のスケジュールで治療を進めていくことは、歯が健康な状態であることが前提条件です。 歯磨きの際は、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを用いて丁寧にケアしましょう。
歯が痛い、出血するなどの症状がみられる場合は、定期検査の期間でなくても早めに受診し、 初期の段階で治療を行うことが大切です。
また、口内を清潔に保つためにはマウスピースの管理も重要で、取り外す際には洗浄してきれ いな状態を保ちましょう。
ワイヤー治療と併用する
インビザラインの期間を短くする方法として、ワイヤー治療との併用が挙げられます。
ワイヤー矯正は歯を早く動かせる強みがあるため、初期段階で歯並びを整える段階のときに役 立つ方法です。その後の細かな歯並びや噛み合わせの調節にインビザラインを用いると、効率 よく治療を進められます。
また、インビザライン矯正をしながらワイヤーで部分補正を行うことも可能です。歯の裏側に ワイヤー矯正を行うと目立たないため、人目を気にせず治療できます。
インビザラインの期間を短くしたい場合は、初診時にワイヤー矯正との併用も含めて医師に相 談してみるとよいでしょう。
使用方法をしっかり守る
インビザラインの治療期間を短くするためには、1日22時間を目安にマウスピースを正しく装着 しましょう。
いつでも取り外しできるのがインビザラインのメリットですが、目安の時間を下回ると歯が動 かずに期間が伸びてしまいます。基本的には、食事と歯磨き以外は装着しなければなりません。
固定式のワイヤー矯正のように取り外しがない方法であれば装着脱を考える必要はありません が、インビザラインはしっかりと自己管理を行うことや、医師が指示する使用時間を守る必要 があります。
装着を忘れてしまうことが多い場合は、スマホのアラームを利用したり、毎日の食事や歯磨き の時間を決めて習慣化させるとよいでしょう。
喫煙者は禁煙をする
喫煙者は、禁煙することもインビザラインの期間を短くする方法です。喫煙は歯の動きを遅く する可能性があるため、当初の予定よりも治療が遅れてしまう可能性があります。
そもそも、インビザラインは歯周組織の破壊・再生によって歯が動くことを利用する矯正方法です。タバコに含まれるニコチンによって血液量が減少すると、歯周組織の再生が遅れてしま い、歯の移動もスムーズに進みません。
また、マウスピースを装着したままタバコを吸うと、ヤニやタールがマウスピースに付着して 変色を起こす可能性もあります。周囲の人に知られないことがメリットのインビザラインです が、黄ばんだマウスピースが目立つことになるため注意しましょう。
すぐに禁煙することは難しい方が多いため、少しずつ本数を減らしたり、マウスピースを取り 外すタイミングで喫煙するなどの対応を心がけましょう。
アライナーチューイを使用する
インビザラインの期間を短くするためには、マウスピースの適合を改善するためにもアライナ ーチューイを使用しましょう。
ここでは、アライナーチューイの概要や使い方を解説します。
アライナーチューイとは
アライナーチューイとは、インビザラインに使用するマウスピースをしっかりと装着させるた めに使用する弾力のあるロール状のシリコンゴムです。
治療が進むとマウスピースは形を変えながらシミュレーション通りに進んでいくため、自分の 歯もその変化に付いていかなくてはなりません。
しかし、アライナーチューイを噛まずにはめているだけだと、マウスピースの変化に対して自 分の歯が追いつけなくなり、歯との間に浮きが生じます。
浮きを防止してマウスピースと自分の歯をフィットさせるためにも、アライナーチューイは必 要です。
アライナーチューイの使い方
マウスピースを変えた初日は、約20分を目安に奥歯から反対の歯まで均等に噛むようにしまし ょう。マウスピースを変えて5日目くらいまでは、1回10分~15分が目安です。
叢生している場所のように、
たくさん歯を動かす必要がある場所は他の部分よりも重点的に噛 む必要があります。
また、アライナーチューイは消耗品であるため、長く噛み続けて弾力がなくなったら交換が必 要です。柔らかくなると効果は得られないため注意しましょう。
4.まとめ
この記事では、インビザラインにかかる期間や伸びる原因と短縮方法を解説しました。
インビザラインは数ヵ月から3年ほどの治療期間が必要で、虫歯や歯周病になったり、マウスピ ースの紛失や正しい装着ができていないと期間はさらに伸びます。
期間を少しでも短くするためには、定期検査を行い口内の清潔を保ちながら、使用方法をしっ かり守りましょう。
また、ワイヤー矯正やアライナーチューイを正しく使用することも短縮につながります。
山崎デンタルクリニックでは、マウスピース型装置によるできる限り歯を抜かないインビザラ インを行っています。
インビザラインと当院長が研究開発したアンカースクリューを併用することで、抜歯せずに美 しい歯並びに改善できます。
歯の矯正やインビザラインを検討している方は、ぜひ当院にお問い合わせください。