【大人になってからも歯科矯正は大事!種類や相場についても詳しく解説】

目次

1.大人の矯正歯科はいつでも大丈夫

2.大人が歯科矯正を行うメリット2選

3.大人が歯科矯正を行うデメリット3選

4.矯正が必要かどうかを判断する基準2選

5.歯科矯正の費用は分かりにくい

6.歯科矯正治療方法ごとの費用相場

7.歯科矯正におけるフェーズごとにかかる費用

8.まとめ

歯科矯正は子どものうちに行うイメージが強く、実際に矯正器具を付けている友達がいた記 憶がある方は多いでしょう。 しかし、実は大人になってから歯科矯正を行う方も、少なくありません。 大人の歯科矯正と聞くと効果が出ない、矯正器具が目立って恥ずかしいなど、効果や生活へ の影響について不安を持つ方が多いでしょう。 そのような方に向けて、この記事では歯科矯正の種類や大人になってから行うメリット・デ メリット、かかる費用について解説します。

1.大人の歯科矯正はいつでも大丈夫

小児矯正は、歯の生え変わり時期だったり、成長過程だったりと最適なタイミングを見て行 う必要があります。 一方大人の歯科矯正の場合、成長が完了していて、いつから始めても問題ありません。 もちろん、早く始めれば始めるほど健康的で正しい歯並びが早く手に入ります。 ただ大人の歯科矯正においては、「始めるタイミング」よりも「いつまでに歯並びの改善と 健康的な噛み合わせを手に入れたいか」を意識して行うと良いでしょう。

2.大人が歯科矯正を行うメリット2選

大人が歯科矯正をすると、歯並びが改善するだけでなく体の悩みが改善されるなど、さまざ まなメリットがあります。 その中でも、具体的に歯科矯正を行うと得られる大きなメリットを2つ紹介します。

口内炎のリスクが減少
口内炎ができる要因はさまざまありますが、口内環境の悪さや口内を傷付けた傷によってで きる可能性が高いです。 歯並びを改善すると歯ブラシが隅々にまで届きやすくなり、口内の汚れが残りにくく口内環 境を清潔に保てるでしょう。 清潔な口内環境は、むし歯や歯周病が起こりにくく、口内炎のリスクが減少します。 また、歯並びの改善と健康的な噛み合わせによって口内を傷付けるリスクも減少し、傷から 起こる口内炎もできにくいでしょう。

顔の印象を良くする
仕事をしていると、周囲の人と顔を合わせて、コミュニケーションを取る機会が増えます。 歯並びに自信がもてず、周囲の目が気になり、円滑なコミュニケーションが取れないと悩む 方は少なくありません。 歯科矯正をしてきれいな歯並びや健康的な噛み合わせを手に入れると、顔の形やサイズが変 わり、顔の表情が改善する可能性があります。 コンプレックスが解消されれば、表情が豊かになり、人とのコミュニケーションも楽しめる でしょう。

3.大人が歯科矯正を行うデメリット3選

歯科矯正にはメリットばかりではなく、リスクやデメリットもあります。 治療を決める前に、どの程度のものなら許容範囲か、デメリットをよく理解して判断してく ださい。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

大人は子どもに比べて虫歯や歯周病のリスクが高く、歯科矯正を始める前の治療に費用がか かる点がデメリットです。 子どもは虫歯があっても初期段階である場合が多く、簡単な治療で済み、すぐに歯科矯正を 始められます。 一方で年齢を重ねた大人の口内は、既に虫歯や歯周病があって、歯科矯正前に虫歯や歯周病 の治療が必要となる可能性が高いです。 虫歯や歯周病の治療には時間がかかるほか、状況によっては高額な費用がかかるでしょう。

装置に慣れるまで時間がかかる

大人の歯科矯正では、子どもの歯科矯正と比べて痛みや装置に慣れるまでの時間が長いで す。 子どもは代謝機能が高く痛みや装置に慣れるのが早い傾向がありますが、大人になると代謝 機能が低くなり、歯が矯正装置に慣れるまで時間がかかります。 さらに歯茎が下がって見えたり、歯の根っこが短くなったりするトラブルが起こる可能性も あります。

矯正器具の装着後、痛みに慣れるまでの時間も子どもより長いでしょう。

抜歯 が必要となる可能性がある

抜歯の可能性が高い点は、大人になってから歯科矯正を行うデメリットの1つです。 子どもの歯科矯正では、一般的にあごの成長を利用して歯を正しい位置に動かし、抜歯は必 要ありません。

しかし大人の歯は、永久歯が生え揃い、成長も止まっています。 歯を正しい位置に動かすスペースがなく、抜歯が必要となる可能性が子どもより高いでしょ う。 特に永久歯を抜歯すると、自分の歯の本数が永久的に少なくなり、慎重な判断が必要です。

4.矯正が必要かどうかを判断する基準2選

多くの大人は多少歯に違和感があっても「今さら歯科矯正なんて」とか、「大人になってか らでは大げさかな」と考え、歯科矯正に踏み切らないでしょう。 そこで、歯科矯正が必要かどうか、判断するための基準を2つ紹介します。

上下のかみ合わせ

不正咬合と言われる、歯並びや上下のかみ合わせが悪い状態は、歯科矯正が必要です。 正しいかみ合わせでは、かみ合わせた際に、上の歯が下の歯に2mm程度かぶさります。 上下の歯をかみ合わせた際に歯がしっかりと合わさっていなかったり、隙間がかなり開いて いたりする場合は歯科矯正を検討しましょう。 特に気にならなければ問題ありませんが、違和感を感じ、生活に支障が出ているときは歯科 矯正の検討をおすすめします。

歯の向き

上の歯は下向きに、下の歯は上向きに生えるのが、正しい生え方です。 斜めに生えていたり、隣同士の歯がぶつかっていたりする場合には、歯科矯正を検討しまし ょう。 歯が正しい向きに生えていないと、歯ブラシが届きにくく、汚れを落としきれない可能性が あります。 そのまま汚れが残ってしまうと、虫歯や歯周病の原因になり、他の健康な歯にも影響を及ぼ すでしょう。

5.歯科矯正の費用はわかりにくい

100,000〜1,500,000円まで、歯科矯正の費用には大きな幅があります。 ここまで費用の幅がある理由は、歯科矯正が自由診療の範囲で行われ、国で費用が定められ ていないからです。

先天性の病気や、医療目的の歯科矯正以外は、すべて自己負担です。 歯科矯正の費用は治療方法や治療期間などによって大きく異なります。 矯正する歯並びの程度や、どの矯正器具を使ってどのくらいの期間治療をするか確認し、初 めておおよその費用が分かります。 一概にいくらと事前に確認できない点が、ネックとなる方も多いでしょう。

6.歯科矯正治療方法ごとの費用相場

歯科矯正の治療方法は、6種類が挙げられます。 表面矯正・裏側矯正・ハーフリンガル矯正・部分矯正・セラミック矯正・マウスピース矯正 です。

歯科矯正の治療方法ごとに、詳細や費用を紹介します。

施術内容、費用

表側矯正　700,000〜1 ,000,000円

裏側矯正  1,000,000〜1,500,000円

ハーフリンガル矯正　800,000〜1,300,000円

部分矯正  350,000〜800,000円

セラミック矯正　50,000〜150,000円(1本あたり)

マウスピース矯正 300,000〜1 ,200,000円

表側矯正(ワイヤー矯正)

表側矯正(ワイヤー矯正)は、歯の表側に「ブラケット」と呼ばれる矯正器具を装着して、 そこにワイヤーを通して歯を移動させる方法です。 金属製の素材が一般的でしたが、最近は白や透明の目立ちにくいブラケットやワイヤーもあ ります。

いわゆる歯科矯正といえばこれ、と想像するタイプの方法です。

費用の面でも、歯科矯正の中では比較的安い価格で治療できます。

裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)

裏側矯正(舌側矯正・リンガル矯正)は、表側矯正に抵抗感がある方におすすめの矯正方法 で、歯の裏側に矯正器具を取り付けます。 裏側に矯正器具を装着し、目立たない点が大きなメリットです。 この方法は専門技術が必要な治療で、対応していない歯科医院もあります。 また、費用も表面矯正に比べると1.5倍ほど高額です。 費用は部位や範囲によって異なり、一部だけの裏側矯正などは、低価格で治療できるでしょ う。

ハーフリンガル矯正

ハーフリンガル矯正は、わかりやすく言えば表面矯正と裏側矯正のハイブリッド方式です。 目立ちやすい部分には、裏側矯正をして、目立ちにくい場所に表面矯正をします。 見た目に気遣いながらも、裏側矯正より費用を抑えられるメリットがあります。 全体のバランスを見ながら、異なる矯正器具を付けるこの方法には、技術と経験が必要で す。

対応可能な歯科医院を見極め、よく相談して進めましょう。

部分矯正

部分矯正はその名の通り、気になる一部分のみを矯正する方法です。 矯正器具の取り付けや、期間・費用が最小限で済むメリットがあります。 しかし、歯科矯正は気になる部分だけを動かせば良いわけではありません。 全体のかみ合わせや間隔のバランスを考える必要があります。 一般的に奥歯のかみ合わせが正しい位置とされ、前歯などの一部を部分矯正します。

セラミック矯正

セラミック矯正とは被せものをして歯並びを整える方法で、通常の歯科矯正よりも痛みが少 なく、治療期間が短くて体の負担が少ないです。 一度整えた歯並びは戻りにくいほか、被せものによって、白く透明感のある自然な歯の色に できる点がメリットです。 被せものは着色や汚れが付きにくい素材で、清潔に保ちやすい点も魅力の1つでしょう。 セラミック矯正では歯を動かさない代わりに歯を削るため、ほとんどの場合は神経を抜く必 要があります。 また、土台を歯の内部に立てる必要があり、被せもの以外の処置費用も高額となる可能性が あります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、一人ひとりの歯に合わせた器具を制作し、その透明マウスピースを装 着して歯科矯正をする方法です。 目立ちにくく、歯磨きや食事の際に取り外し可能で、人気があります。

ただし、付けるのを忘れてしまって効果が出にくくなるなど、矯正の効果は本人次第となり 自己管理が重要です。 人気が高い歯科矯正方法で、マウスピースの種類・ブランドは多岐に渡り、その分費用相場 も幅広いです。

7.歯科矯正におけるフェーズごとにかかる費用

歯科矯正は、矯正前・矯正中・矯正完了後と、フェーズごとに費用がかかります。 そのフェーズごとに紹介します。

矯正前

精密検査費用(0〜30,000円) 虫歯/歯周病治療/抜歯費用 (2,000〜30,000円)

矯正中

矯正装置の費用(300,000〜1, 500,000円) 通院費(3,000〜5,000円)

矯正完了後

リテーナーの費用(30,000〜6 0,000円) 保定観察日(3,000〜4,000円)

矯正前にかかる費用

歯科矯正を始める前には、精密検査とカウンセリングが必要です。 その後に歯並びやかみ合わせについて担当の歯科医師と相談し、治療方法や期間、費用や抜 歯が必要なのかなど全体的な説明を聞きます。 顔の骨格のレントゲンを撮り、口内状態を丁寧に調べます。 虫歯や歯周病がある場合は先に治療をしないと、歯科矯正を始められません。 一般的に精密検査には0〜30,000円、さらに虫歯や歯周病の治療、抜歯などに各2,000〜30,0 00円かかります。 歯科矯正の前に行う虫歯や歯周病治療は、保険適用外となりすべて実費です。

矯正中にかかる費用

虫歯や歯周病の治療が終わり、口内に問題がない状態になってから矯正装置を取り付けま す。

費用は歯科矯正の方法や歯科医院によって異なります。 後から思っていた額と違ったなどと後悔しないよう、カウンセリングの際によく確認しまし ょう。 表面矯正は700,000〜1,000,000円・裏側矯正は1,000,000〜1,500,000円・マウスピース矯正 は300,000〜1,200,000円です。 矯正装置を取り付けたあとは、ワイヤー矯正なら1ヵ月に1回、マウスピース矯正なら2〜3ヵ 月に1回の通院が必要です。

その際に、1回あたり3,000〜5,000円の費用がかかります。

矯正後にかかる費用

歯科矯正の治療が終わったあと、歯の位置が固定するようにリテーナーと呼ばれる器具を装 着する必要があります。 このリテーナーの費用は30,000〜60,000円、3ヵ月〜半年に1回必要な通院の費用が1回あた り3,000〜4,000円です。 リテーナー装着後も正しい位置に固定されているかの確認で、定期的に通院しなければなり ません。 自己判断でリテーナーを外すと、歯が元の位置に戻ってしまうリスクがあり、せっかくの歯 科矯正が無駄になってしまいます。 もう良いだろうなどと勝手に自己判断せず、歯科医師の許可が出るまでは通院しましょう。

8.まとめ

大人は歯の成長が完了していて、いつからでも歯科矯正を始められます。 歯科矯正は歯並び改善だけではなく、口内炎リスクの軽減などメリットがある一方で、抜歯 が必要な可能性が高いなど大人ならではのデメリットもあります。 矯正方法はさまざまで、生活への支障や見た目への影響が少ない方法も豊富です。山崎デンタルクリニックは、痛みが少なく、取り外しができるマウスピース矯正を専門とし た歯科医院です。 カウンセリングで歯の状況を見てから治療をしてもらえるため、歯並びやかみ合わせが気になっている方は、一度相談してみてください。